【アメリカンショートヘアの飼い方】性格や注意すべき病気など獣医師が解説

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猫の種類

短毛で優しい性格、その飼いやすさが人気の「アメリカンショートヘア(通称:アメショー)」。すでに飼っている方や、これから飼ってみたいと考えている方も多いのではないでしょうか?見た目は、猫科動物の王道ともいえる顔つきで、体には渦模様や縞模様などのバラエティ豊かな模様があり、1匹1匹個性があって私も大好きな猫種の1つです。

 

今回はそんなアメリカンショートヘアの飼い方について、体型、性格、かかりやすい病気などを中心にお話したいと思います。

今まさにアメショーのお世話に苦戦している方、飼ってみようか悩んでいる方のお役に立てると幸いです。

 

アメショーの体格や身体的特徴

 

アメリカンショートヘア「中型種」で、体高25センチ前後、体重は雌雄差があり雄:5キロ前後、雌:4キロ前後です。大きさはそれほどかわりませんが、雄の方は筋肉がしっかりとついている“がっちり体型”で抱くとずっしりと重いです。雄も雌も運動能力が非常に高く、野生ではハンターとしてネズミなどを上手に捕まえていたようです。

「ショートヘア」という名前の通り、短毛で毛は硬くケアがとても楽です。季節の変わり目など、毛が生え変わる時期だけブラッシングをすれば毛玉ができる心配もほとんどありません。

毛色は、グレーや茶などの渦模様が有名ですが、実は黒や白、青などの単色の猫もいます。個人的には真っ黒なアメショーや青のアメショーは上品で好きですね。ペットショップで見かけるのは渦模様のアメショーばかりですので、気になる方はアメショー専門のブリーダーなどに問い合わせてみましょう。

 

アメショーの性格や習性

 

アメリカンショートヘアの性格はとにかく陽気で、他の猫や犬、さらに子供とも上手に遊ぶことができる社交性のある猫です。まさに人と一緒に暮らすのにピッタリな猫種でしょう。

一方、もともとのハンター気質が強いと、室内飼育でも部屋中を走り回ることがあります。ネズミなどの動くオモチャはもちろん、キャットタワーなどのジャンプできるものを与えてあげると喜びます。十分な運動ができないと、ストレスがたまることや、太りやすい体質でもあると言われているため注意が必要です。

 

アメショーの平均寿命とかかりやすい病気

猫全体の平均寿命は15歳前後といわれていますが、アメリカンショートヘアの平均寿命は「12歳前後」です。やや全体よりは短めですね。その理由は遺伝的な要因で「命に関わる病気」にかかるリスクが高いためだと考えられています。以下にとくに注意が必要な「アメリカンショートヘアがかかりやすい病気」を実際に動物病院にやってきたアメショーを例にご紹介したいと思います。

■多発性腎嚢胞

<相談①>メス・7歳・室内・単独飼育

7歳になり、とくに今のところ健康だけど、そろそろいろんな病気の心配もあるので健康診断を受けさせたい。

こちらの飼い主さんは、初めて飼ったアメショーを溺愛していましたが、今まで全く病気もせず元気だったため動物病院にはかかったことがないとのことでした。幸い感染症などにもかからなかったようで良かったですが、ワクチンもペットショップで最初に受けただけだったとのことです。体型もいたって普通でしたが、血液検査で腎機能の数値が異常値を示しました。

腎臓の触診では異常はわかりませんでしたが、超音波検査で左右両方の腎臓にやや大きめの嚢胞がみられました。アメショーによくみられる「多発性腎嚢胞」との診断となりましたが、残念ながらこの病気は治療法がありません。進行して嚢胞が大きくなると腎臓が機能しなくなります(腎不全)。遺伝性の疾患で、徐々に進行するためすぐに命の危険があるわけではないですが、尿量や飲水量が急に変わった場合はすぐに動物病院を受診するようにしましょう。症状を和らげる治療を受け、少しでも元気に長く生きられるようにしてあげたいですね。

■肥大型心筋症

<相談②>オス・8か月齢・室内・単独飼育

最近元気がなくほとんど動かなくなった。胸のあたりが太った気がするし呼吸も荒く悪い病気かもしれないので、健康診断を受けたい。

生後8か月で数週間前まではとくに問題なかったが、急に元気がなくなってきたということです。アメリカンショートヘアという猫種で、呼吸が荒かったことから、すぐに「心筋症」が疑われました。

肥大型心筋症とは心臓の壁が分厚くなってしまう病気です。心臓は全身に血液を送るポンプの役割をしていますが、その壁が厚くなるとうまく収縮と拡張ができなくなり血液の循環が悪くなります。その結果、胸や肺に水がたまったり、肢先まで血が巡らず冷たくなったり、血の流れが遅くなるため血管内で固まりやすくなり血栓ができたりしてしまいます。

高齢の猫で多い病気で、どの猫種でも一定の割合で発症しますが、アメリカンショートヘアは遺伝的な要因から「肥大型心筋症」を発症しやすく、この症例のように生後数か月齢という子猫にも見られます。治療としては、たまった水を抜いたり、血が巡らない肢先から壊死が進まないよう切断することもありますし、血栓ができるのを予防するために血液が固まりにくくなる薬を投与したりします。しかし、残念ながら予後は不良です。

■肥満に伴う糖尿病など

<相談③>オス・10歳・室内・多頭(2匹)飼育

子猫から飼い始め、今年10歳になりました。老猫になっても食欲だけは衰えず、どんどん太ってきました。最近さらに食べる量や水を飲む量が増えましたが、体重は変わらないか少し痩せてきて心配です。

雄のアメショーなので体重は4~6kgが理想ですが、8kgもありました。特別に体格が大きいわけでもなく、歩くとお腹まわりがゆさゆさと揺れていましたので明らかな肥満です。しかし、気になったのは「水をよく飲むようになった」というところでした。糖尿病や猫に多いホルモンの病気「甲状腺機能亢進症」の可能性があるため検査を実施したところ、糖尿病でした。猫の糖尿病は人と同じで「インスリン投与」と「食事制限」を行いますが、コントロールが難しく、発症後あまり長生きはできません。たかが「肥満」と考えず「糖尿病」を発症するリスクを考えて、体重管理は徹底しましょう。

☆アメショー飼育のポイント【①食事と運動で太らせない、②遺伝性疾患のリスクがあるためペット保険に加入すべし】

 

アメショーにおすすめのキャットフード

 

活動的で飼い主さんや他の動物と仲良く遊ぶことができるアメショーは、食欲も旺盛です。そのため、先ほども少し触れましたが「肥満」になるリスクが高いです。頻繁に体重を量り、食事をあげすぎないよう注意しましょう。また、成長段階に応じたおすすめの食事についてお話したいと思います。

■子猫~3、4歳:高蛋白のキャットフード

アメショーは肥満になりやすいからといって、子猫~成長期にダイエット用フードを与えることは避けましょう。アメショーは1歳前後で生殖機能が成熟しますが、骨格や脳などの発達は4歳くらいまで続くと言われています。したがって、4歳までは摂取カロリーを控えるより、しっかりと運動させて筋肉を増やすことを考えると良いでしょう。

そんな時期におすすめのキャットフードは「高蛋白フード」です。脂質含有量やカロリーは平均的なもので十分ですので、なるべく質のよいものを選んであげてください。

<粗タンパク質:35~40%の高蛋白フード例>

  粗タンパク 粗脂質 カロリー(100gあたり)
シンプリーキャットフード 37 20 380
ジャガーキャットフード 40 20 383.5

■5歳~:低カロリー・低脂質のキャットフード

一方、好奇心旺盛で運動量が多いアメショーも、5歳を過ぎると活動量が低下してきます。成長もとまりますので、この時期からは「肥満」に注意しながら食事を見直してあげるとよいでしょう。実際には、猫にとって最適な高蛋白フードでありながら、脂質やカロリーを抑えたキャットフードを選んであげてください。

<脂質やカロリーが控えめのフード例>

  粗タンパク 粗脂質 カロリー(100gあたり)
モグニャンキャットフード 30 16 374
ナチュラルチョイス 33 14 365

 

【まとめ】アメリカンショートヘアの飼い方

人気の「アメリカンショートヘア」の飼い方についてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか?アメショーは、お子様がいる家庭や、他の動物と一緒に飼いたい人におすすめの優しくて遊び好きな猫です。

一方、室内で単独飼育する場合などは運動不足による肥満に注意が必要です。食事や飼育環境など工夫してあげてくださいね。

また、どの猫種にも代々引き継がれてきている遺伝性疾患というものがありますが、アメショーは「腎嚢胞」や「心筋症」の好発種です。治療費が高額になりますので、ペット保険は入っておいた方が良さそうです。

このサイトでは愛猫におすすめキャットフードについても解説していますので、併せてご覧いただけますと幸いです。

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