【グレインフリー】猫は肉食動物だから炭水化物が不要!は本当?

近年日本でもよく知られるようになってきた「グレイン(穀類)フリー」のキャットフードですが、みなさんは使用していますか?欧米では「猫は肉食動物だから、グレインフリーは当たり前!」といった考えが浸透しており、多くの飼い主さんがグレインフリーのキャットフードを選んでいます。

 

獣医師として、私もできることなら「グレインフリー」のキャットフードを与えるべきだと推奨しています。しかし、その理由は「猫が肉食動物だから」というだけではありません。

今回は「猫とグレイン(穀類)の関係」および「猫と炭水化物の関係」という2つの観点で、グレインフリーキャットフードを推奨する理由について解説していきます。

 

【猫の食事】肉食動物が摂取すべき栄養素

みなさんよくご存じのように、猫は肉食動物として進化していた動物種です。肉食動物である猫は、動物性蛋白質が必須です。また野生の猫は鳥やネズミなどを捕まえて食べており、木の実や草を食べる習慣は原則ありません。鳥やネズミは、3大栄養素のうちほとんどがタンパク質と脂質で、炭水化物は数%程度しかありません。そのため猫の消化管(胃や腸、肝臓、腎臓)は、動物性蛋白質を消化吸収するのに適したものになっているのです。

では、野菜や果物に含まれる食物繊維やビタミンなどは不要なのでしょうか?

野生の猫は餌として捕食する鳥やネズミの胃腸内部に残留しているものをまとめて摂取することで、食物繊維やビタミンなどの必要な栄養素をまかなっています。鳥は木の実や草などを食べますしネズミも雑食のため、胃腸内部には様々なものが含まれているはずです。


以上のことから、ペットとして飼育している猫の食事には、「動物性蛋白質」「ビタミン」「食物繊維」などが含まれている必要はありますが、「炭水化物」は含まれている必要はありません。

 

【犬の食事】雑食動物と肉食動物のちがい

では、同じくペットとして飼育される犬の食事はどうでしょうか。

犬は猫とちがい雑食動物です。私たち人間も雑食動物ですね。雑食動物である犬は、文字通りどんなものからでも栄養を摂取することができます。猫のように、消化管が動物性蛋白質を消化吸収するために特化した機能にはなっていないのです。
そのため、猫と同様に動物性蛋白質からの栄養補給もできますが、穀類(米や小麦)や芋・豆などに含まれる「炭水化物」と「植物性蛋白質」から必要な栄養を得て生活することができます。
極論として、犬は「動物性蛋白質」を一切摂取しなくても生きていけるということです。ただし、豆や乳製品などから植物性蛋白質を摂取する必要はあります。

一方、猫は必ず「動物性蛋白質」を摂取しないと生きていくことができません。むしろ「炭水化物」は栄養面では不要です。

これが、肉食動物(猫)と雑食動物(犬)の食事における大きな違いといえます。

 

多くのキャットフードに穀類が含まれている理由

ここまでの説明から、肉食動物である猫の食事には、栄養成分がほぼ炭水化物である「穀類」は不要ということがわかっていただけたかと思います。

それにも関わらず、なぜ多くのキャットフードには穀類が含まれているのでしょうか。


もちろん「穀類」には、炭水化物の他に「水分」「食物繊維」「ミネラル」といった大切な栄養素も含まれています。穀類を含んでいるキャットフードの一部商品には、「猫は肉食動物ですが、食物繊維などの有用な栄養素を摂取するために少量の穀類を含んでいた方が良い」といった説明書きがされているのを見たこともあります。

しかし、食物繊維は他の食物にも含まれていますよね。そのため「穀類」が含まれている本当の理由は、「安価で高カロリーだから」というのが正直なところでしょう。

3大栄養素である「炭水化物」「タンパク質」「脂質」のうち、カロリーが高いのは脂質>炭水化物>タンパク質の順です。

「穀類」を含まない代わりに、たんぱく質で必要なカロリーを補おうとすると、多くの肉や魚を必要とするためキャットフードの製造コストがかかりすぎるということです。

炭水化物を一切含まない「ウェットフード」が、非常に高価でカロリーも低いのはそういった理由からです。

 

グレインフリーキャットフードに期待される効果

そんな中、穀類を含まないキャットフード「グレインフリーキャットフード」が欧米で注目されるようになりました。「猫には炭水化物は不要だから」グレインフリーキャットフードが生まれたと考えている飼い主さんもいらっしゃるかもしれませんが、実はグレインフリーが注目される理由はそこではありません。

グレインフリーのキャットフードの原材料を確認すると、たしかに米・玄米・小麦・大麦・トウモロコシといった穀類は一切含まれていません。しかし、その代わりにイモ類豆類が含まれているのがわかると思います。穀類を含んでいなくても、炭水化物が含まれているのなら大した差はないのではないか?と思いますよね。


では、なぜグレインフリーキャットフードは注目されているのでしょうか。ここでは、グレインフリーキャットフードに期待される2つの効果について解説します。

 

【効果1】アレルギー予防・対策

グレイン(穀類)とは、米、小麦、大麦、トウモロコシなどですが、このうち小麦、大麦、トウモロコシは食物アレルギーを起こすリスクの高い食物です。米(玄米)は、食物アレルギーのリスクが高いとの報告はありません。

グレインフリーのキャットフードを与えることで、食物アレルギーのリスクを減らすことができます。

また、食物アレルギーという観点のみで考えると、グレインの中でも「米」はとくに避ける必要はないといえます。

 

【効果2】肥満や糖尿病の予防になるかもしれない

さらに、グレインフリーのキャットフードが肥満や糖尿病の予防になるのでは、という研究もされています。

もともと猫は肉食動物であるがうえに、糖の代謝機能が低く、犬などに比べると糖尿病になりやすい動物です。糖尿病には原因不明で肥満や糖の過剰摂取とは関連がなくインスリンが分泌されなくなる「1型糖尿病」と、肥満に関連するといわれている「2型糖尿病」に分類されます。猫に多いのは「2型糖尿病」で、膵臓からインスリン自体は分泌されているのですが、その効果が低下し血糖値が高くなるという病態を示します。

糖代謝が得意ではない猫が、高炭水化物なキャットフード(ドライフード)を食べることによって、糖尿病のリスクが高まるのではないかという専門家の意見もあります。なお、現在のところ、炭水化物が多いキャットフードを食べる猫と、高蛋白フードを食べる猫の間で、糖尿病の発症率に明らかな差は認められていません。

しかし、少なくとも炭水化物はたんぱく質に比べて高カロリーであり、肥満との関連は指摘されています。


以上、「食物アレルギー予防・対策」「肥満や糖尿病のリスクを減らす効果が期待できる」という2点から、私は獣医師としてグレインフリーのキャットフードに切り替えることを推奨しています。

 

おすすめのグレインフリーキャットフード

では、最後に現在日本で入手可能なグレインフリーのキャットフード(ドライタイプ)をご紹介したいと思います。

実はウェットフードにも、グレインフリーのものが多く存在します。しかし、非常に高価かつ管理も難しい点から、ドライフードを与える家庭が一般的でしょう。

 

<日本で入手可能なグレインフリーのドライフード一覧>

グレインフリーのキャットフードは、日本ではまだ浸透していませんが欧米では早くから人気となっています。そのため日本で入手できるグレインフリーフードは、輸入品で通販での販売となります。下記に私が調べた限りの「(日本で入手可能な)グレインフリーのキャットフード」を挙げました。

カナガン(イギリス) シンプリー(イギリス) アニモンダ(ドイツ)
モグニャン(イギリス) オリジン(アメリカ) ナウフレッシュ(カナダ)
ジャガー(イギリス) ネイチャーズバラエティ(アメリカ) ジーウィーピーク(ニュージーランド)

原産国は、いずれもペット先進国である欧米諸国です。

グレインフリーのキャットフードは、日本ではまだ浸透していませんが、欧米では早くから人気となっています。そのため日本で入手できるグレインフリーフードは、輸入品となり通販での販売が基本です。

国産のキャットフードには、残念ながら完全な穀類不使用(グレインフリー)フードは見つかりませんでした。今後グレインフリーの国産品も登場すると嬉しいですね。

 

【まとめ】グレインフリーキャットフード

猫は肉食動物であり、動物性蛋白質を必ず摂取しないと生きていけませんが、炭水化物は必ずしも摂取する必要はありません。

私は獣医師として、グレイン(穀類)フリーのキャットフードを推奨しています。その理由は、①穀物アレルギーの予防、②肥満や糖尿病の予防効果が期待できるという2点です。

日本ではまだ浸透していませんが、欧米では早くからグレインフリーフードは注目を集めており、多くの商品が製造されています。輸入品にはなりますが、日本でも入手できるグレインフリーフードもあるため、ぜひ試してみてください。

カナガン(チキン)やシンプリー(魚)は、日本語の公式サイトもありお値段もお手頃で入手しやすくおすすめです。

このサイトでは他のおすすめキャットフードについても解説していますので、併せてご覧いただけますと幸いです。

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