シニア猫7~17歳(人間年齢:40~80代)用のキャットフードの選び方

飼い猫が7歳を迎えたら、早くもシニア猫の仲間入りです。私たち人間も、40代を迎えると意識して健康管理をしないと何かしらの不調が出てくるものですよね。シニア猫の健康管理は、飼い主さんの役目です。

とくに『肥満』や『腎臓病』といった病気は中齢猫~高齢猫では高い頻度で見られるものですが、これらの病気はしっかりと健康管理をおこなえば予防することができます。健康の基本はやはり食事です。これらの病気を予防し、いつまでも元気に暮らせるように、飼い主としてシニア猫に合ったキャットフードを選んであげましょう。

他の年齢のキャットフードの選び方も以下で解説していますので、併せてご覧頂けますと幸いです。

10歳 シニア猫の一日はどんな感じ?1日に必要なカロリーを計算しよう

猫は飼い主が仕事や買い物にでかけている日中、どんな行動をしているのでしょうか?室内で飼育しているか、外飼いしているか、あるいは単独飼育か多頭飼育かなどの環境によっても異なってきますが、10歳前後のシニア猫は想像以上に動いていません。


のんびり歩いて、お気に入りの場所を見つけたら寝転んで毛づくろい。そのままウトウトとお昼寝。起きたら少し水を飲んで、またのんびりお散歩・・・といった具合です。若いころのようにオモチャ相手に一人でじゃれたり、他の動物とタオルなどを引っ張り合って遊んだり、といったことはあまりしません。飼い主がオモチャで遊んであげても10分ももたないでしょう。
したがって1日の消費カロリーは7歳あたりを境に次第に減っていきます。7、8歳くらいであれば、まだまだ活発で元気に動き回る猫もいますが、それでも10歳にもなってくるとぐんと消費カロリーは減ります。その理由は運動量や筋肉量が減ってくることに加えて、好奇心の低下から頭を使って行動することが減ってくるのも一因です。

以前の記事で、1~7歳の成猫に必要なカロリー計算は『基礎代謝×1.5』を目安にしましょうと書きました。シニア猫の場合は、1日に必要なカロリーは『基礎代謝×1.3』を目安にすると良いですね。まずは体重から基礎代謝を算出して、飼い猫に必要な1日のカロリー量を計算しておきましょう。

体格 平均体重(kg) 基礎代謝(kcal)
小型猫 ♂3~4

♀2.5~3.5

♂100~120

♀80~110

中型猫 ♂4~6

♀2.7~4

♂120~150

♀100~120

大型猫 ♂6~9

♀4~6

♂150~200

♀120~150

参考までに、小型、中型、大型猫のおおよその体重と、基礎代謝をまとめておきます。(参考:獣医内科学『小動物編』)

シニア期の猫に多い病気と健康管理のポイント

獣医師をしていると、やはり10歳くらいを境にぐんっと病気の猫が増えるのを感じます。その中でも気になるのが、『肥満』と『腎臓病』です。また最近は『糖尿病』の猫も増えてきましたね。アレルギーや、内分泌(ホルモン系)の病気、そしてがんなどは遺伝によるところも多く、若い猫にも一定の割合で認められますし、なかなか予防できないのが現実です。
しかし、『肥満』は7歳あたりからしっかりと健康管理をすれば、まず予防できるものです。『腎臓病』も2つのポイントに気を付けると、予防あるいは病気を発症後も正しくコントロールすることができます。
具体的にシニア期に多い病気の『肥満』『腎臓病』についてみていきましょう。

あらゆる病気のリスクに【肥満】

猫の肥満リスクは非常に高いです。というのもこれまでにも説明してきた通り、猫は犬のように仲間とじゃれ合って遊んだり、人と長時間たわむれたりといったことを好みません。基本的な行動パターンとして、自分の好奇心のままに行動するという傾向があります。そのため、子猫の時期や若くて好奇心旺盛な時期は、走ったり飛び跳ねたりと元気よく動き回りますが、シニア期に入ると、好奇心の低下なども原因となり想像以上に動かなくなるのです。


一方、猫は味覚が非常に発達しており、おいしい味を覚えるとどんどん食事を欲しがるといった特徴もあります。特にうまみ成分(化学調味料)がたっぷりと入った食事やおやつなどはしつこく欲しがり、かわいさから飼い主もついつい与えてしまいがちです。
こういったことがきっかけとなり、動量が落ちてくる10歳前後から『肥満』になる猫が増えてしまうと考えられます。太るとさらに動かなくなるといった悪循環によって、肥満が進むと糖尿病や高血圧といった生活習慣病を発症してしまうこともあります。
飼い猫のカロリー管理(食事管理)”をしっかりとすることは、飼い主にとって大きな責任ということです。7歳を過ぎた頃からは、飼い猫の運動量などをよく観察し、時期をみて『低カロリー』のキャットフードに切り替えるなどの工夫をすると良いでしょう。

猫の習性が関係している?【腎臓病】

さてもう一つは、猫を飼っている人ならよく知っているかと思いますが、猫に多い病気の一つ『腎臓病』についてです。猫の腎臓病リスクもまた非常に高いです。
これもまた猫の習性が大きく関係していると考えられています。というのも猫は尿の量が極端に少ないです。これが腎臓病にかかりやすい原因の一つです。犬と猫を比べてみるとわかりやすいのですが、猫には次のような特徴(習性)があります。

  • 水をあまり飲まない
  • 濃縮された尿を少量排泄する(そのため匂いが強い)

これらの特徴は、腎臓への負担を大きくします。腎臓の最もメインの役割は、血液中に含まれる不要な物質を濾しとって尿をつくることです。もう少し詳しく説明すると、たんぱく質や糖質のような分子量の大きな(体に必要な)ものを残し、分子量の小さな(体に必要のない・むしろ毒になるような)ものを通して尿中に排泄するのです。


水分をあまり摂取しないということは、血液がドロドロで濃いということです。このドロドロの濃い血液を濾しとるのは、腎臓にとって大変なお仕事なのです。そのため、腎臓への負担が大きくなり、年齢を重ねたシニア期になると『慢性腎臓病』に至ってしまうということが考えられます。
猫の動物としての特徴(習性)ですから仕方がない部分もありますが、飼い主として水分をしっかりと摂取させることは気を付けたいポイントですね。
さらにもう一つのポイントは、たんぱく質の摂取量を控えることです。子猫の時期は、筋肉や骨をつくるためにたんぱく質を多くとるべきでしたよね。また若い時期も、運動量が多いため筋肉の修復や骨の成長のために、やはり高たんぱくな食事の方が向いていました。しかし、シニア期の猫は筋肉や骨でのたんぱく質の消費が減ってきます。そのためいつまでも高たんぱくフードを続けていると、腎臓への負荷が大きくなってしまうのです。
7歳を過ぎた頃からは、飼い猫の運動量などをよく観察し、時期をみて『高たんぱく』のキャットフードから、たんぱく質の含有量が標準的なものに切り替えるなどの工夫もすると良いでしょう。

シニア期の猫におすすめのキャットフードを紹介

それでは、実際にシニア期の猫におすすめのキャットフードを紹介したいと思います。選ぶポイントは『低カロリー』と『良質なたんぱく質を適量含んでいるもの』です!

これらの条件を満たすおすすめのキャットフード【ドライタイプ】はこれ!

◎シンプリー

イギリス産『シンプリー』は、これまでも紹介してきた通り、無添加、グレインフリー、良質なたんぱく質の3拍子揃った安心のキャットフードの一つです。全ステージの猫に対応として販売されていますが、注目すべきは“お肉ではなく、白身魚や野菜を多く含んだ良質な素材を使用している点”です。これによって『低カロリー』で『良質なたんぱく質を適量含んでいる』という、シニア猫に適したバランスのキャットフードになっています。

水分摂取が苦手な猫には【ウェットタイプ】がおすすめ!

腎臓への負担を減らすという点では、水分をしっかりと摂取することも重要だとお話ししました。なかなか水分補給が上手にできない猫には、ウェットフードへの切り替えもおすすめです。

ウェットフードは、80%近くが水分でできていますし、柔らかいのでさらに高齢になってからもずっと食べ続けることができます。匂いも強く、食いつきも良いと言われていますね。ウェットフードにも無添加の良質なものがあるのでご紹介したいと思います。

〇シシア

イタリアン産で、素材はすべてヒューマングレード、もちろん無添加という安心のウェットフードです。まるで手作りした食事のように、匂いもフード独特の香り(香料や添加物の香り)がなく、素材の香りがほどよくします。それでいて食いつきが良いと評判ですので、一度試してみてください。

<シシア 口コミ>

  • スープタイプなのでたっぷりと水分も摂取でき、なんといっても、イタリアの味ですから、猫の食いつきも抜群でした!
  • 猫のウェットフードの独特のくさみがありませんでした。

他にも多くの種類のウェットフードが販売されていますが、なかなか無添加のものは少ないと思います。またウェットフードは保存がむずかしいため、使い切りのパウチや缶詰での販売形態となり、ドライフードと比べるとやや割高となります。無添加ではないですが、シニア専用のウェットフード『シーバ シニア用』や『サイエンスダイエット シニア用』なども販売されていますので、気になる人は一度試してみてください。

シニア猫に限らず、水分補給が上手ではない猫や、夏場など脱水に注意しないといけない季節には、ウェットフードを与えて水分補給を行うという飼い主さんも結構いらっしゃいますよ。

また、こちらはシニア猫へのおすすめポイントからは外れているのですが、気になる口コミが多かったので紹介しておきます。

〇FINEPET’S(ファインペッツ)キャットフード

カナダ品質であり、オランダの工場でつくられているFINEPET’Sも無添加で質の高いキャットフードです。原材料はアヒル、ニシン、チキンといった複数のたんぱく源でできています。またグレイン(穀類)の中では消化のよいお米も含まれています。低カロリーではないのですが、口コミで『糖尿病がよくなった』というものが多く、もし既に糖尿病になってしまっている猫の飼い主さんがいれば、一度試してみても良いかもしれないと思い紹介させていただきました。

 

シニア猫7~17歳におすすめのキャットフード

猫の寿命は15~20歳くらいと言われています。そのため、7歳をこえると、人間でいうところの40代。健康に長生きするためには、この時期から特にしっかりとした健康管理をしないといけません。
猫にはシニア期になると、高い確率で発症してしまう『肥満』や『腎臓病』といった病気があります。これらの病気を予防するためにおすすめのキャットフードは、『低カロリー』で適度なたんぱく質を含んだものです。
また水分摂取を意識して、ウェットタイプのキャットフードに切り替えるのも一つでしょう。ウェットタイプは保存の観点から、添加物を含んでいるものも多いですが、できる限り素材にこだわり、無添加で安心・安全の良質なものを選んであげたいですね。世界一の長寿猫は『38歳』とも言われています!7歳からの健康管理を徹底して、シニア期以降の飼い猫との暮らしを楽しみましょう

キャットフードの詳しい解説記事は以下でも書いていますので、併せてご覧いただけますと幸いです。

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