猫が食べない理由は歯肉炎かも?原因と対策、予防に適したキャットフードとは

猫が急にいつものフードを食べなくなった時は、口の中を確認してみてください。口の奥の歯茎が赤く腫れている場合は、歯肉炎のため痛みが生じて食欲があっても食べられないのかもしれません。

なんと3歳以上の猫では、約8割が歯肉炎だといわれています。歯肉炎の最大の原因は歯石からの細菌繁殖であり、最も簡単にできる対策は食べかすが付着しにくいドライフードを与えることと、デンタルケアを丁寧におこなうことです。

歯肉炎の原因や対策、デンタルケアの方法なども詳しく説明したいと思います。

 

猫の歯肉炎とは

まず、歯肉炎とはいったいどういった状態なのでしょうか。

猫は、我々人間と同じように口腔内の上下に歯が並んでいます。その歯を支えているのが歯肉です。歯肉に何らかの原因で炎症が生じることによって「歯肉炎」となります

口を開けたときに見える部分は、歯茎ともよばれており、歯茎が赤(黒)く腫れたり、水疱のようなものができたりといった炎症反応が肉眼で確認できます。

 

歯肉炎の症状(飼い主さんから多い相談)

では、歯肉炎になるとどういった症状が出るのでしょうか。

ここからは飼い猫が歯肉炎になって困っている飼い主さんからの、実際の相談内容を紹介しつつ歯肉炎の症状についてまとめたいと思います。

<相談①>オス・8歳
愛猫が歯肉炎になり、今までのカリカリでは食が進まなくなりました。週末はパウチのウエットにカリカリを混ぜて与えていますが、平日は朝から晩までお留守番のため置きエサしかできず。
カリカリを置いて出ますが、ほとんど食べておらず心配です

 

<相談②> オス・13歳
デンタルケアを一度もしたことがなかった13歳の老猫で、奥歯が抜けたり歯茎が腫れて歯が浮いたりしています。最近フードを全く食べなくなり血が混じった唾液が垂れ流れています
ウェットフードも食べません。

上記はほんの1例ですが、相談にもあるように、歯肉炎の代表的な症状は「口腔内の痛みです。

炎症が起こっているということは、痛みのもとであるプロスタグランジンとよばれる物質が分泌されており、痛みを生じます。この痛みによって、食事がとれなくなるというのが一番の問題となります

悪化すると歯が浮いたり抜けたりして、食事を噛むことができなくなり、とくにドライフードは食べることができなくなります。

余談ですが、犬や猫などの動物は、私たち人間と比べて痛覚が鈍いと言われています。もちろん個体差はありますが、痛みに対する感受性が犬でだいたい人の1/3程度ではとの見解もあります。

猫はもう少し敏感なようです。つまり、猫が「痛くて食べない」というのは、相当な痛みを感じているということです。食べなくなるまで悪化する前に、口腔内の異変に気付き適切な治療をしてあげられるようにしたいですね。

歯肉炎の原因

猫の歯肉炎の原因には、大きく3つのことが考えられます。
猫特有の習性や、与えている食事が原因となっていることもあるため、まずは原因を究明し対策をとることが必要です。

①食べかすによる細菌繁殖が原因

猫だけでなく、犬や私たち人間も、食べ物を食べると歯に食べかすが残りますよね。
猫は犬などに比べると唾液の分泌が少なく食べかすなどが残りやすい傾向があると言われてます。歯の表面に残った食べかすが、24時間後には歯垢となり、さらに数日間放置されると唾液中に含まれるカルシウムやリンが結合し石灰化して「歯石」となります。

歯石のついた歯は、きれいな歯と比べ表面が凹凸(デコボコ)しており、さらに食べかすがつきやすくなります。
食べかすは口腔内の細菌たちにとっては大好物であり、住処となってしまいます

猫はあまり水分をとらないこと、唾液が少ないことから口腔内に雑菌が繁殖しやすく、歯石周辺で細菌が大繁殖し、歯をささえている歯肉にまで炎症が広がってしまいます。

② 歯の摩擦や他の猫とケンカするなど口腔内にできた傷が原因

猫は肉食動物のため、先のとがった鋭い歯をもっています。
自分の歯で口腔内を傷つけてしまったり、他の猫とケンカをするなどして傷ができた場合、その傷から炎症が広がって歯肉まで赤く腫れあがってしまうこともあります。この場合は、傷が治ると歯肉炎も治まるためそれほど心配はしなくてよいでしょう。

ただし、猫の口腔内には雑菌が多く存在しているので、傷ができた粘膜から菌が血液内に侵入し、ときに敗血症などの命に関わる病態を引き起こしてしまうこともあるため、ひどくなった場合はすぐに動物病院で診てもらいましょう。

③ 感染症や免疫異常が原因

その他、猫カリシウイルス感染症猫ヘルペスウイルス感染症によって、口腔内の粘膜に炎症が起こることもあります。

他にもストレスや原因不明の免疫異常によって、口腔粘膜に水疱や炎症を生じる疾患もあります。このような基礎疾患が原因で歯肉炎を発症している場合は、適切な治療を受けない限り治りません。

やはり歯肉炎が長引く場合は、一度動物病院で診てもらいましょう

 

再発予防も!歯肉炎のおすすめ対策

猫の歯肉炎を予防する上で、最も簡単にできる対策は「食事」です

歯肉炎は一度なると再発しやすい病気です。なぜなら猫の習性や生活環境はなかなか変えられないからです。そのため飼い主としてすぐにできる対策は、キャットフードの変更と歯磨きということになります。

しかし、猫は慣れていないとなかなか歯磨きはさせてくれません。まずは食事対策から取り組んでみることをおすすめします。

■STEP1 ドライフード中心の食事にする

歯肉炎の一番の原因である歯石の蓄積は、ウェットフードなどの粘り気があり歯の表面に付着しやすいフードによると考えられています。

猫は肉食動物で、肉をかみ切るために歯の先端は尖っていて隣の歯との間には隙間があります。そのため私たちのように、歯と歯の間に食べかすがたまるということはないのです。したがってドライフードを食べている限り、食べかすはあまり付着しません

一方、粘り気のあるウェットフードは歯の表面に付着しやすく、唾液量も多くないためなかなか流れず歯石となってしまいます。ウェットフードをメインで与えていて歯肉炎を起こしやすくなっている場合は、ドライフードへの切り替えを考えましょう

最近はウェットフードにも劣らない「高蛋白」「無添加」「グレインフリー」のドライフードがたくさん販売されています。これを機に一度試してみてください。

■STEP2 デンタルケアを最低週1回はおこなう

さて、ドライフードへの切り替えがなかなかうまくいかない場合や、夏場の水分補給が目的などでやはりウェットフードをメインに与えたいという方もいらっしゃるでしょう。
そういった場合は、ドライフードを与えている場合よりも丁寧に、そして回数も増やして入念なデンタルケアをおこなうようにしましょう。

猫のデンタルケアの基本は、ガーゼなどで歯の表面をこすって付着した食べかすを落とすことです。小型の猫で指ではケアが難しい場合は、猫用歯ブラシや、人間の乳児用の柔らかい歯ブラシを使って磨きましょう。
間違っても人間用の歯ブラシでゴシゴシしてはいけません。歯肉を痛めてしまい、むしろ歯肉炎を起こしやすくしてしまいます。歯磨き粉もとくに必要ないですが、使用したい場合は猫用の歯磨き粉を使いましょう。

※またまた余談ですが、猫の歯って何本あるか知っていますか?
私たち人間は、一番奥の親知らずを合わせて32本です。猫は永久歯が全部で30本です。口が小さい割に人間とほとんど変わらない数の歯を持っているということですね。

しかし前に並んでいる歯(切歯)や尖った歯(犬歯)は狩りや生の肉を噛みちぎるための歯です。つまり基本的にはフードを噛むために使うのは奥の歯だけです。
そのため食べかすや歯石も奥歯にたまりやすく、デンタルケアは特に奥歯を中心に行いましょう!(といっても、奥歯を磨くのは非常に難しいですよね。)
参考:獣医解剖学、犬猫の獣医歯科臨床

■STEP3 食後に水を飲むように癖づける

なお、ドライフードの場合も口腔内に食べかすが残ると、歯石はできなくても、それをエサに口腔内に雑菌が繁殖してしまいます。

食事場所には必ず水を用意し、できれば子猫の時期から食後に必ず水を飲むように習慣づけましょう。食べかすが水と唾液で流され、雑菌の繁殖を予防することができます。
また、夏の脱水予防や、膀胱炎予防などにもなりますよ。

 

【猫の歯肉炎】原因と対策のまとめ

3歳以上の猫の約8割が歯肉炎だといわれており、歯肉炎は悪化するとフードを食べられなくなることや、歯が抜けてしまうなどのひどい状態となります。
歯肉炎の最大の原因は、ウェットフードなどが歯の表面に付着し、それが石灰化して歯石(細菌の塊)ができることによります。

歯肉炎は一度治っても再発しやすく、再発予防としてドライフードを与えることと、デンタルケアを丁寧におこなうことなどの適切な対策をとりましょう。

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