【猫の涙やけ(目やに)】意外な原因も!詳しい症状や対策を獣医師が解説!

猫は種類によって顔つきが異なりますよね。みなさん、顔つきや性格、体格などで好みの猫を選んで飼っている方も多いのではないでしょうか。

大切な飼い猫のせっかくのかわいいお顔を台無しにしてしまうのが「涙やけ(目やに)」です。実際に動物病院での相談件数も増えており、悩んでいる飼い主さんが多いように感じます。

今回は、そんな猫の「涙やけ(目やに)」の症状や原因、自宅で試してほしい対策法をご紹介します。しつこい症状には1つずつ考えられる原因を消していくことが重要です。

原因別の症状の見分け方や改善方法など、参考にしてくださいね。

【動物病院にやってくる猫の健康相談件数No.1】「涙やけ」とは?

みなさん、猫を飼っていると1度は動物病院にお世話になったことがありますよね。

動物病院を訪問する理由の中で多いのは、予防接種の受診や避妊去勢手術、続いて健康診断です。動物病院は病気になったときだけお世話になるというわけではないのですね。

では、病気や健康の相談で動物病院を訪れる飼い主さんの中で、一番多い症状ってなんだか知っていますか?

地域や病院の特徴などによって多少の違いはあるでしょうが、実は動物病院を訪れる猫の相談の中で「涙やけ(目やに)」に関するものが一番多いのです。

実際の相談内容を紹介しながら、「涙やけ(目やに)」の症状について説明したいと思います。

 

■ペルシャ猫は鼻が低いため目やにが出やすいのでしょうか?

<相談①>メス・5か月齢・室内・単独飼育

5か月のペルシャ猫ですが、朝起きたら元気だけど焦げ茶色か黒の目やにでいっぱいです。

ペットショップからやって来た時から少し目やには多めでした。
ペルシャは鼻が低い為、目やには有る程度仕方ないような事もネットで見かけましたが、普通はどの程度なんでしょうか。

こちらの飼い主さんは、憧れのペルシャ猫を3か月齢の時に迎えたそうです。

ペットショップにいるときから少し目やにがついていましたが、「こんなものですよ」と言われあまり気にしていなかったとのこと。しかし、毎朝ひどい目やにで心配になってきたため来院されました。

原因のところで詳しく説明しますが、ペルシャ猫は「目やに」が多い特徴があり、実際に相談件数も多いです。

■茶色い目やにで片目だけひどい涙やけが出てとれません。

<相談②>オス・2歳・室内・多頭(3匹)飼育

飼育している3匹のうちの1匹が、涙やけで目の周りが真っ赤になってしまいました。

きれいな白猫なのでとってあげたいのですが、硬くてさっぱりとれません。原因は何でしょうか。

こちらの飼い主さんは、3匹の猫を飼っていらっしゃいます。

1匹の白猫だけが目やにがひどく、目の周りが真っ赤でせっかくのきれいなお顔が台無しだと悩んでおられました。非常にしつこい涙やけで、濡れタオルなどで毎日丁寧に拭いてあげているようですが、全くとれないとのことです。

他の2匹には涙やけが見られないため、原因が何なのか知りたいと来院されました。

 

【まとめ】涙やけ(目やに)の症状

上記の相談例のように、涙やけとは目頭の下部が赤や茶、黒っぽく汚れてしまうことをいいます

汚れる理由は、目頭からあふれ出てしまい毛に付着して固まった涙です。
この涙に血液や膿、脂質、ゴミなどが混じっているために、赤、茶または黒っぽく着色されてしまい焼けたようにみえることから「涙やけ」とよばれます。

また涙を拭うために猫が前肢でこすったり、飼い主さんが強く拭きすぎることによって、皮膚が炎症をおこして赤くなることもあります。

とくに睡眠中は涙の排出が阻害されやすく、朝起きたときには目やにがひどくなる傾向があります

 

【涙やけの原因は意外なところにあるかも?】「涙やけ」の原因について

では、涙やけ(目やに)はなぜ起こるのでしょうか。

症状のところでもふれましたが、涙やけは目から涙があふれ出ることによって起こります

涙があふれ出る理由には、大きく分けて「つくられる涙の量が多すぎる場合」と「つくられた涙がうまく排泄されない場合」の2つがあります。

ここからは、実際に動物病院で行う検査内容や診断結果をもとに、涙やけの原因について詳しくお話ししたいと思います。

 

1. 「つくられる涙の量が多くなる」理由は?

涙は個体差もありますが、通常は適量つくられ、角膜を移動する間に一部が蒸発し、残りは涙嚢(目頭の奥の部分)にたまって鼻涙管を通じて排泄されます。

しかし、様々な原因で産生される涙液量が多くなることが知られています。

以下にあげた原因は、いずれも動物病院で眼科検査を受ければ発見可能であり、原因疾患を治療することで「涙やけ」はほぼ改善されるでしょう。

  • 涙腺炎
    涙が作られる場所である「涙腺」に炎症が起こると、涙の産生が亢進されます
    猫では非常にまれな疾患で、犬によく見られます。
  • 眼疼痛(角・結膜炎、ブドウ膜炎、緑内障など)
    疼痛とは痛みのことで、眼に痛みを感じると涙腺からの涙の分泌量が増えます
    痛みの原因は、眼球の表層部である角膜に潰瘍ができていたり、ブドウ膜炎や緑内障で痛みを発していることが考えられます。多頭飼育の場合はケンカやじゃれ合って他の猫の爪で角膜に細かい傷がついてしまっている可能性も考えられます。
    他にもゴミやおもちゃなどが眼に入り角膜を傷つけることもあるでしょう。飼育環境などに注意し、必要に応じて改善しましょう
  • 刺激(機械的刺激、光、風など)
    その他、睫毛が内側に反れて眼内を刺激していたり、強い光や風が刺激となって流量が増えることもあります。
    睫毛が入らないよう外科的処置を受けることや、光や風の場合は飼育環境を見直すことで容易に改善できるでしょう。

 

2. 「つくられた涙がうまく排泄されなくなる」理由は?

一方、作られる涙の量は適量でも、様々な要因で涙を排泄する道が閉塞したり狭くなってしまうと、目頭の部分から涙があふれ出てしまいます。

涙道が閉塞する要因も多岐にわたることが知られています。

  • 先天性
    まず、先ほど紹介した事例にも出てきました「ペルシャ猫」は、先天的に鼻涙管が圧迫されるような骨格のため、涙液の排出が悪く「流涙症」を頻発する猫種として知られています。
    他にも鼻が短い「ヒマラヤン」や最近人気が高まっている「スコティッシュフォールド」などは流涙症のリスクが高い品種と言えます。見た目として、鼻が短い顔つきの猫ですね。
    骨格が原因のため改善が難しいですが、もともと狭い鼻涙管がさらに狭くなったり、完全に閉塞してしまうような原因(炎症疾患など)がないか検査をし、治療や予防対策をとることが重要です。
  • 炎症性残渣(涙嚢炎、鼻炎など)
    炎症が起こると、細胞が集まってきたり腫脹が見られたりします。
    これらの影響で鼻涙管が狭まってしまうことがあります。
    涙やけ以外に、鼻汁や鼻出血などの症状がみられる場合は炎症による流路閉塞が原因の可能性が高いため、まずはそれらの基礎疾患を治療することになるでしょう。
  • 物理的閉塞(腫瘍、結石、外傷による圧迫など)
    最後に、物理的に鼻涙管が詰まっている場合も、涙が排泄されずに目頭からあふれ出てしまう原因となります。
    物理的な閉塞を起こす要因としては、腫瘍や結石による閉塞あるいは狭窄のほかに、ケンカや事故、顔面をぶつけるなどの外傷によって、顔面の骨格がゆがんだり変形し鼻涙管が圧迫されていることも考えられます。
    動物病院でつまりを解消するための適切な治療を受けましょう

【検査の結果、原因不明の場合】自宅で試してみてほしい対策とは

上記のように、涙やけの原因はさまざまです。

検査の結果、原因が判明すれば適切な治療をおこない改善がみられることも多いです。

しかし、動物病院にやってくる涙やけで悩んでいる猫の中には、検査をしても原因がわからない場合や、炎症が原因であるとわかってもなかなか治療では炎症がおさまらないこともあります。

そういった場合には、即効性のある治療法ではないですが、ぜひ飼い主さんに自宅で試していただきたいことがあるのでご紹介しておきます。

 

■フードからのアレルギー物質の除去

様々な検査をしても、原因がわからない場合に考えられる可能性として(全身性の)「アレルギー」や「免疫疾患」が考えられます

とくに、あまり質のよくないキャットフードを与えている場合、製造工程で思わぬ添加物が混入しており、その添加物にアレルギー反応を示している場合などもあります。

そういった場合は、涙やけだけではなく下痢や嘔吐、被毛の状態悪化などのトラブルを併発していることもあるため、一度アレルギーを起こす可能性がある物質を極限まで減らしたキャットフードに変更してみるとよいかもしれません

近年はプレミアムフードといって、添加物不使用の高品質なキャットフードも販売されています。

 

<添加物不使用のおすすめキャットフード3選>

カナガンキャットフード 添加物不使用でプレミアムフードの定番
モグニャンキャットフード 添加物不使用、高アレルゲンの肉類を使用せず魚がメインのプレミアムフード
ジャガーキャットフード 添加物不使用、肉と魚をバランスよく配合したプレミアムフード

 

■飼育環境の改善

さらに、キャットフードと合わせて飼育環境の見直しもぜひ行っていただきたいです。

先ほども少し説明しましたが、眼は非常に敏感な器官で、風や光などの外部刺激で涙液の産生が亢進されてしまいます。

他にも不衛生な飼育環境では、アレルギー性物質も多く鼻炎や結膜炎などの炎症性疾患を引き起こしやすくなります。

また、ストレスによって免疫力が低下すると感染症にかかりやすくなりますし、まだ機序がよくわかっていない免疫性疾患を引き起こすリスクも高まると考えられています。

とくに多頭飼育の場合は、それぞれの飼い猫にあった休息場所を用意するなど、ストレスがたまらないような飼育環境をつくる工夫をしてあげましょう

 

【猫の涙やけ(目やに)】症状・原因と自宅でできる対策のまとめ

猫の「涙やけ(目やに)」は、動物病院での相談件数が非常に多く、かわいいお顔が台無しになってしまう点から飼い主さんの悩みも深刻です。

「涙やけ」は涙の産生量が増えることや、涙の排泄路がふさがることで、目頭から涙があふれてしまい被毛に付着することで起こります。
感染症やアレルギーによる炎症疾患、物理的な閉塞、さらに先天的な要因など、様々な理由が背景には隠れています

命にかかわるような疾患ではないですが、涙が付着した部分に細菌が感染したり、皮膚をこすりすぎることで炎症を起こしたりと、長引くと悪化することもあります。

そのため、動物病院で早期に原因をつきとめ、治療・改善することが重要です。

一方、原因不明の場合や自宅での対策を試したい場合は、低アレルゲン食への切り替えや飼育環境の見直しをしてみると良いでしょう。

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