【猫のアレルギー】食べ物が原因で皮膚炎や腸炎に?原因や症状を詳しく解説

飼い猫の皮膚炎や胃腸炎で悩んでいる飼い主さんはいらっしゃいませんか?

長引く皮膚や胃腸の症状は、実はアレルギーが原因かもしれません。猫のアレルギーには、人と同じように「食物アレルギー」「ノミアレルギー」といった原因が特定できるものから、免疫が関連した原因不明のものや種々の原因が混在しているやっかいなものもあります

今回は、飼い主さんを悩ませる猫のアレルギー症状と、原因やおすすめの対策をご紹介します。

猫の「アレルギー」とは

猫のアレルギーについては、獣医内科学の教科書では「アレルギー性鼻炎」「アレルギー性皮膚炎」の2項目が設けられています。

「アレルギー性鼻炎」については、「犬や猫では稀な疾患です」との記載もあり、獣医学の世界で猫のアレルギーときくとまず考えるのは「アレルギー性皮膚炎」です。
(参考:獣医内科学<小動物編>)

猫のアレルギー性皮膚炎は、強い痒みを伴う皮膚症状がみられます
犬と同様に「アトピー様皮膚炎」を示す場合もあれば、「食物アレルギー」によるもの、「ノミアレルギー性皮膚炎」などが見られますが、明確な定義は確立されていないのが現状です。
したがって、猫においてはっきりとしているアレルギーの原因は「食物アレルギー」のみです。

猫の食物アレルギーでは、皮膚炎に併発して胃腸炎がみられることもあります。

食物アレルギーによる「皮膚炎」の症状を詳しく解説

猫の食物アレルギーによる皮膚炎について、実際の臨床現場で遭遇した具体例をあげながら、さらに詳しく症状をみていきましょう。

  • <相談①:メス・1歳・室内・単独飼育>
    譲りうけた猫の眼や口周囲に赤っぽい皮膚炎が出ています。
    痒いようで前あしでかいてひどくなる一方です。
  • <相談②:オス・7か月齢・室内・単独飼育>
    お腹に赤いブツブツがあることに気が付きました。
    外にも出していないため植物や虫による湿疹ではないと思います。

上記の例のように、アレルギー性皮膚炎は強い痒みを伴う湿疹が特徴的な症状です。
顔やお腹、耳の周辺に出る場合が多く、虫刺されや接触性皮膚炎などと異なり左右対称に出ます。

飼い猫に皮膚炎がみられる場合は、まず「左右対称がどうか」を確認し、アレルギーの原因が「食物アレルギー」かそれ以外かの見当をつけるようにしましょう。

もし食物アレルギーの可能性が高い場合は、高アレルゲンとなる物質が含まれていないキャットフードに変更することをおすすめします。

なお症状がひどい場合は、動物病院で投薬などの適切な処置を受けるようにしましょう。

アレルギー性皮膚炎の部位に、細菌感染(2次感染)が起こると重症化してしまうこともあります。

 

「アレルギー性(胃)腸炎」は皮膚炎に併発することも!気になる症状を解説

猫のアレルギー性胃腸炎は、多くの場合は皮膚炎に併発して起こると書きましたが、近年では胃腸炎のみの症状が目立つ例にも遭遇します。

具体例をもとに詳しく症状をみていきましょう。

  • <相談③:メス・2歳・室内・多頭飼育> 
    ダイエットのためにエサを変えて、2か月くらいから、1匹の猫の耳が赤くなってきて痒そうです。
    またしつこい下痢を繰り返しています。もとのフードに戻した方がよいでしょうか。

上記の例のように、アレルギー性皮膚炎に併発して、下痢や嘔吐と言った胃腸症状を伴う場合があります

併発例は、約1割程度ともいわれていますが、臨床の現場ではもう少し多い印象です。
猫は感染症やストレス等で時々下痢や嘔吐をすることはありますが、食物アレルギーによる胃腸炎の場合は慢性的な下痢や嘔吐が数週間以上続きます。

この症例のようにフードを変えたことによって明らかに症状が出てきた場合は、食物アレルギーの可能性をすぐに疑うことができますが、ずっと与えていたフードでも年齢や体調変化によって突如アレルギー症状を発症することもあるため注意が必要です

診断としては、糞便検査等でその他の可能性(感染症など)を否定した後、今与えているフードの原材料に含まれている食物を含まないフードに変えて様子を見ることしかありません。

食物アレルギーによる胃腸炎は、たいてい除去食に変えてから8週間程度で症状が改善しますので、気長に続けることが大切です。

重症の場合は、いったんアレルギーの症状を緩和する投薬治療などを動物病院で受けてから、フードを変えて様子をみるようにしましょう。

 

猫の「食物アレルギー」の原因とは

では、ここからは猫の食物アレルギーの原因について考えていきます。

猫にアレルギーを起こす食物

犬や猫の食物アレルギーについては、いくつかの研究報告があります。
その中で最も高リスクな食べ物は「牛肉」という結果がでています。

一方、やや古い調査では「魚肉」が食物アレルギーの原因として多いという報告もあります。他にも、「鶏卵」「小麦」「大豆」「トウモロコシ」なども食物アレルギーの原因となることが明らかとなっているため、キャットフードの原材料はしっかりと確認しましょう

猫は肉食動物であり、動物性たんぱく質を必ず摂取する必要があるため、上記に出てきた肉類の少なくとも1種類は含まれているものがほとんどです。

したがって、アレルゲンの特定には、蛋白源が異なるいくつかのキャットフードを試す必要があります

一般的なキャットフードの原材料を分析

では、ペットショップなどでも売られている一般的なキャットフードには、食物アレルギーの原因となりうる高リスクの食物がどの程度含まれているのでしょうか。

実際に原材料をあげて確認していきます。

下記は、愛用者も多い「ロイヤルカナン」の原材料です。

肉類(鶏、七面鳥)、米、小麦とうもろこし、植物性分離タンパク*、動物性脂肪、加水分解タンパク(鶏、七面鳥)、小麦粉、植物性繊維、ビートパルプ、酵母および酵母エキス、大豆油、フラクトオリゴ糖、魚油、サイリウム、アミノ酸類(DL-メチオニン、タウリン、L-カルニチン)、ゼオライト、ミネラル類(Ca、Cl、Na、K、Zn、Mn、Fe、Cu、I、Se)、ビタミン類(A、コリン、D3、E、C、ナイアシン、B2、パントテン酸カルシウム、B1、B6、葉酸、ビオチン、B12)、酸化防止剤(BHA、没食子酸プロピル)

 

下記は、お手頃価格で多頭飼育の飼い主さんからの支持が高い「ピュリナワン」の原材料です。

チキン、米、コーングルテンミール、家禽ミール、小麦粉、油脂類(脂、大豆油)、とうもろこしフィッシュミール、大豆たんぱく、酵母、フィッシュパウダー、たんぱく加水分解物、ミネラル類(カルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、クロライド、鉄、銅、マンガン、亜鉛、ヨウ素、セレン)、カラメル色素、ピロリン酸ナトリウム、ビタミン類(A、D、E、K、B1、B2、パントテン酸、ナイアシン、B6、葉酸、ビオチン、B12、コリン)、アミノ酸類(リジン、タウリン)、酸化防止剤(ミックストコフェロール)

 

このように、店頭販売されているお手頃価格のキャットフードには、食物アレルギーを引き起こす可能性のある食品がいろいろと含まれていることがわかります。
これらのキャットフードでも全くアレルギーなどとは無縁の猫もおり、過度な心配は不要です。

しかし、人間と同様に体質による違いが大きく、少しでも食物アレルギーを疑うような皮膚や胃腸症状がみられる場合は、アレルゲンとなりうる食物を含まないフードに変更することをおすすめします

食物アレルギーの猫におすすめのキャットフード

では、最後に食物アレルギーの可能性が考えられる飼い猫には、今後どういったキャットフードを与えると良いのでしょうか。

キャットフードの選び方や、おすすめのキャットフードを挙げたいと思います。

 

【フード選びの基本】「牛肉」と「小麦」「トウモロコシ」は含まれないフードを選ぶ!

皮膚炎や胃腸炎の原因が、食物アレルギーである可能性が示された場合、2~3か月ごとにフードを変更することでアレルゲン(原因の食物)を特定することができるかもしれません。

最初にフードを選ぶ基本としては、高リスク食物である「牛肉」「小麦」「トウモロコシ」が含まれておらず「鶏肉」や「魚」を含むフードの中から候補を選びましょう

なお、現在与えているフードの蛋白源に「肉」が含まれておらず「魚」のみの製品の場合は、魚がアレルゲンの可能性も高いため魚を含まないフードに変更するのが基本です。

この場合、まず試すのは「鶏肉」を含むフードの中から候補を選びましょう。

 

良質な鶏肉(チキン)を含むおすすめのキャットフード

アレルゲン特定のために最初に試すと良いのが蛋白源を「鶏肉」に依存したキャットフードです。

下記に高リスク食物「牛肉」「小麦」「トウモロコシ」を含まない、おすすめのキャットフードをご紹介しています。

カナガンキャットフード:良質なチキンをふんだんに使用した穀物フリーフードです。

 

良質な魚肉を含むおすすめのキャットフード

鶏肉メインのフードに変えても皮膚炎や胃腸炎の症状が緩和しない場合は、アレルゲンが肉類全般(牛や鶏など)の可能性も考慮し、蛋白源を「魚」に依存したキャットフードを試してみましょう。

下記は魚メインで、高リスク食物を含まないおすすめのキャットフードです。

シンプリーキャットフード:サーモン・マス・ニシンといった白身魚のみを使用した穀物フリーフードです。
モグニャンキャットフード:蛋白源として白身魚のみを使用した穀物フリーフードです。

 

チキンと魚以外の蛋白源を含むおすすめのキャットフード

手っ取り早くアレルギーを起こさないフードに変更したいという場合は、蛋白源として珍しい肉(アヒル肉や馬肉など)を使用しているフードに切り替えるのも1つの手です。

ただし、一般的ではない珍しい原材料を使用しているフードにはあまり種類もなく、万一製造されなくなった場合や、飼い猫が食べなくなった場合の対応に困ることも考慮しておく必要があります。

また、アレルゲンの特定には至らないため、おやつを与えたりする際にどういった原材料に注意をすればよいのか、あいまいな対策しかとれなくなってしまいます。

ナチュラルチョイス(穀物フリー・ダック):穀物フリーで珍しいダック(あひる肉)を使用しています。
ナチュラルバランス(兎肉 / 鹿肉):兎や鹿といった珍しい肉を使用したフードが揃っています。

 

【加水分解食】アレルギーを起こしにくい理由とは?おすすめのキャットフード

一般的には食物アレルギーの対策としては、原材料を変えて様々なキャットフードを試す方法がとられますが、アレルゲンを特定する必要がないという方は「加水分解食」を試すという方法もあります。
加水分解食とは、いったい何を分解したフードかというと、たんぱく質を加水分解してアミノ酸やペプチドの状態で配合したキャットフードのことです。

そもそもアレルギーは、アレルゲンとなるたんぱく質が抗体と反応することで起こります

そのアレルゲンとなるタンパク質を消化酵素でバラバラに分解した状態で摂取すれば、抗体と反応する確率が下がるという原理で生み出された療法食です。

ロイヤルカナン(低分子プロテイン/フォーミュラ)
ヒルズ(z/d)

 

【猫のアレルギー】症状・原因とそれぞれに適した対策(まとめ)

猫のアレルギーの中で、長引く皮膚炎や胃腸炎を起こす「食物アレルギー」について詳しく解説しました。

これまでの研究で、猫の食物アレルギーの原因として、「牛肉」「小麦」「トウモロコシ」などが高リスクとなることが特定されています。

食物アレルギーの治療は、原因となるアレルゲンを特定しその除去食を与えることで症状の改善を待つ方法が一般的です。
高リスク食物である「小麦」や「トウモロコシ」を含まないフードの中から、現在与えているフードに含まれている蛋白源とは異なる食物を使用しているフードを探して、試してみてください

8週間程度を目安に効果を判定をしましょう。
食物アレルギーの原因が特定できて、症状が改善することを願っています。

このサイトでは他のおすすめキャットフードについても解説していますので、併せてご覧いただけますと幸いです。

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