獣医師が解説する「無添加キャットフード」のメリット・デメリット

みなさんは大切な飼い猫に与えているキャットフードの原材料を全て把握していますか?肉や魚、野菜などのメイン原材料の他にキャットフードには様々な添加物が含まれています。

一方、最近は「無添加キャットフード」というものも販売されており、普通のキャットフードとどこがちがうのか気になっている方もいるのではないでしょうか。

 

今回は、キャットフードに含まれる添加物をご紹介し、猫の健康への影響についてまとめたいと思います。

これを読んで、大切な飼い猫のために自信をもって与えることができるキャットフードを選んであげてくださいね。

 

キャットフードと添加物

ほとんどのキャットフードには多かれ少なかれ「添加物」が使用されています。というのも、キャットフードに含まれる原材料には肉や魚、動物性油脂といった酸化や腐敗しやすいものが多く含まれているからです。酸化剤や防腐剤なしでは、鮮度を保つことが難しいといえます。とくにミートミールやチキンミールといった副産物を使用しているキャットフードには、ミールを加工する工程において多くの添加物が含まれていると考えるべきです(ただし、キャットフードの原材料にはミールに使用された詳細な添加物の情報は記載されていません)。

また、ウェットフードはその性状を維持するために乳化剤や増粘剤といった添加物が使用されます。

さらに、猫の嗜好性には全く関係ないにも関わらず、フードを与える飼い主さんの視覚への効果を期待して着色料(発色剤)も使用されています。

 

キャットフードに含まれている(人工)添加物一覧

では、実際に市販されているキャットフードにはどういった添加物が含まれているのでしょうか。下記は添加物を一覧にしたものです。

酸化防止剤 没食子酸プロピル、エトキシキン(※1)、BHA、BHT(※2)など。キャットフードの酸化を防ぐ役割があり、主にドライフードに用いられる。缶詰などのウェットフードは密封、使い切りのため添加されていない場合が多い。
保存料(防腐剤・抗菌剤) ソルビン酸カリウム、安息香酸、ナタマイシンなど。カビの発生を防いだり、混入している細菌や真菌(カビ)を殺す役割があり、ドライフードにもウェットフードにも用いられる。
乳化剤 グリセリン脂肪酸エステルなど。液体と固体をうまく混ぜ合わせる役割があり、主にウェットフードに用いられる。
増粘剤 アルギン酸ナトリウム、カゼインナトリウムなど。液体をゼリー状にする役割があり、主にウェットフードに用いられる。
着色料(発色剤) 赤3・40・102(※3)・105号、青2号、亜硝酸ナトリウムなど。フードに着色しおいしそうに見せる役割があり、ドライフードにもウェットフードにも用いられる。おやつなどにも多く使用されています。
香料、甘味料 グリシリジン・アンモニエート(※4)、コーンシロップ、ビートパルプなど。嗜好性を高める役割があり、ドライフードにもウェットフードにも用いられる

これらの添加物の中には、日本では使用許可があるが海外では使用が禁止されているもの、あるいは海外では使用されているが日本では禁止されているものがあります。ただし、それぞれの国で使用許可があった場合も、少量では健康被害はなかったというようなデータをもとに安全性を保障しているだけです。(詳細は※1~4参照)

キャットフードに限った話ではないですが、添加物というものは長期間にわたって多量に摂取した場合の対象動物(猫や人間)への健康被害は明らかにされていません。ラットなどの小動物実験や遺伝子レベルでは発がん性などが認められているものも多いのが現状です。

※1:「エトキシキン」は日本では使用が禁止されています。

※2:「BHT」はアメリカの乳幼児用食品では使用が禁止されています。

※3:「赤102号」は日本では広く使用されていますが、アメリカなどでは使用が禁止されています。イギリスでも健康(とくに精神疾患系)への注意喚起が実施されました。

※4:「グリシンアンモニエート」は食品(人間用)では使用が禁止されています。

 

無添加キャットフードのメリット

ここまでの説明をよむと、何となく「添加物って含まれていない方がいいのかも?」と感じ始めたのではないでしょうか。実際に最近は「無添加キャットフード」というものもよく見かけるようになりました。

ここからは添加物の健康への影響が問題視されている現状をご紹介しながら、「無添加キャットフード」のメリットについてお話したいと思います。

■原因不明のアレルギー予防・対策になる

上記でご紹介した添加物のうち、酸化防止剤「BHA」にはアレルギーを起こすことが懸念されています。実際、アレルギー性皮膚炎胃腸炎の猫では、食物アレルギー感染性の疾患ホルモン異常などの明確な原因がわからず症状がなかなか改善しない場合もあります。このような場合、無添加キャットフードや手作りフードに変えるとアレルギー症状が消失することもあります。

添加物がアレルギーの原因であるとは確定できませんが、無添加キャットフードを与えることでその可能性を除外することができ、原因不明のアレルギー予防や対策になると考えられます。

■がんや糖尿病などの予防になる

上記で紹介した添加物のうち、保存料「ソルビン酸カリウム」と発色剤「亜硝酸ナトリウム」は化学反応を起こして発がん性の物質を発生させることが知られています。他にも、保存料「安息香酸」はビタミンCと反応して発がん性の高い物質(ベンゼン)に変化します。

また、添加物は使用量が規制されており少量では発がん性などが見られない場合でも、キャットフードは毎日同じものを与え続けるため摂取量が多くなりがちです。そういった場合に、発がん性などの健康への悪影響が懸念されています。また、「香料」や「甘味料」のとりすぎによって糖尿病になりやすいといった懸念もあります。

こちらも、添加物ががんや糖尿病を引き起こすことが明確ではないですが、無添加キャットフードを与えることでその可能性を除外することができます。

 

無添加キャットフードのデメリット

無添加キャットフードのメリットをよむと、添加物なんて絶対含まれていないほうがいいと感じたのではないでしょうか。しかし、それでもキャットフードだけではなく、私たちが口にする多くの食品にも広く添加物は使用されています。それはどうしてでしょうか?

どんなものにも良い面もあれば悪い面もあるものですが、続いては「無添加キャットフード」のデメリットについてお話します。

■開封後の保管次第で劣化しやすい

無添加ということは、当然「酸化防止剤」や「保存料」も含まれていません。缶詰などの密封されたウェットフードの場合、開封後は絶対に食べきる必要があり、残りを保存するといったことは避けなければいけません。ドライフードの場合も、チャックつきなどの密封できる容器に移し替えて、素早く出し入れする必要があります。置きエサなどにはあまり適さないでしょう。

このように、無添加キャットフードは開封後の保管が面倒であったり、保管方法を誤ると劣化したフードを与えて健康被害を出してしまう可能性があります。

ただし、酸化防止剤は天然のローズマリーやハーブで代用している商品もありますし、チャックつきで遮光の袋に入って販売されているドライフードもあります。

■消費期限が短く買い置きできない

保存料が入っていないことにより、保存性が低く消費期限の短い商品が多いこともデメリットの1つでしょう。

無添加キャットフードの多くは、開封後1か月以内に使用するよう注意書きがあります。これまで数か月分や1年分を安いときに買い置きしていた方や、子猫や小型猫で1日に与える量が少ない場合、さらに複数のキャットフードをローテーションで与えている場合などは、不便に感じるかもしれません。(未開封では数か月~1年程度の保存が可能です。)

しかし、無添加キャットフードは1袋の内容量が少なく多くの場合1か月以内に食べきることができ、公式サイト等で定期購入の申し込みもできるため買い忘れの心配もなく安心です。

 

無添加キャットフード一覧

では、最後にデメリットも理解した上で飼い猫の健康のために「無添加キャットフード」を与えたいという飼い主さんのために、現在販売されている無添加のキャットフードをご紹介したいと思います。下記は、国産・輸入品含めた主な無添加キャットフード一覧です。

カナガン イギリス産の無添加キャットフードシリーズ。

天然の酸化防止剤(マリーロズ等のハーブ類)が含まれており、保管方法もそれほど気を使う必要がない製品。チャック付き袋。

モグニャン
シンプリー
ジャガー
オリジン アメリカ産の無添加キャットフード。

肉食動物である猫のために、肉類80%以上も含んだ超高級フード。野生の猫が食べるエサに限りなく近づけるため内臓や軟骨も含むため、若干保存性などが気になる製品。

ねこはぐ 国産の無添加キャットフード

添加物は天然・人工ともに一切使用しておらず、国内工場で生産、粗悪な原材料も含まれていないため、品質の高さが人気の製品。ただし、原材料に占める穀類の割合が多め。チャック付き袋。

ねこほまれ
ファインペッツ オランダ原産(国内メーカー販売)の無添加キャットフード。リーズナブルで続けやすさが人気の製品。チャック付き袋。
ナチュラルチョイス イギリス産の無添加キャットフード。

天然の酸化防止剤(ハーブミックス)を使用。無添加のおやつも販売。チャック付き袋。未開封で1年半も保存が可能。

アーテミス アメリカ産の無添加キャットフード。天然の酸化防止剤(ビタミン類)を使用。
ナチュラルバランス アメリカメーカー「ニュートロ」の主力商品。

天然の酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリー)を使用。ペットショップ等でも販売されており入手しやすい。ウェットフードシリーズは添加物含有。

アニモンダ ドイツ産の無添加キャットフード。

天然の酸化防止剤(ビタミン類)を使用。チャック付き袋。

上記の通り、無添加キャットフードは多くの商品があります。国産品には、鮮度を維持したまま商品を届けることができるため添加物が一切含まれていないものもあります。一方、輸入品は、人工の危険な酸化防止剤のかわりに、ローズマリーなどのハーブ類やビタミン類を含有することで天然の酸化防止効果を引き出しています。

多くの製品が、開封後の厳密な管理と、1か月以内の使用を明記しているため、チャック付きの袋に入っている商品の方が便利でおすすめです。

 

【まとめ】管理を徹底して、無添加キャットフードを与えよう!

多くのキャットフードには、長期保存を可能にしたり、猫の嗜好性を高めることなどの目的で添加物が含まれています。使用が許可されているものがほとんどですが、その安全性には不安な点も多いのが現実です。

アレルギーやがん、糖尿病といった疾患との関連も懸念されており、獣医師として「無添加キャットフード」をおすすめしています。

一方、酸化防止剤や保存料が含まれていないため、保管方法を徹底する必要があります。気になる方は、天然由来の酸化防止剤(ローズマリー等)が含まれているフードを選ぶと良いでしょう。特有の香りがするため、まずは少量からお試しすることをおすすめします。
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