猫に食べさせてはいけないもの

人と同じ家で飼い主と共に暮らすようになったネコやイヌは、飼い主の食べる物を食べてしまう機会が増加してきます。

せがまれることでついつい与えてしまうような場合もあるでしょうし、食べ残したものを口に運ぶ場合もあるかもしれません。

そこには大きな落とし穴があり、人が食べても何の問題も無い食材や成分がネコやイヌにとっては致命傷というケースもあります。

ヒトと動物の食べ物の違い

ヒトと動物は代謝が共通しているものもあれば、そうでないものもあります。

分かりやすい例で言うと、牛や馬は藁や草を食べて成長するための栄養素として利用することが出来ますが、ヒトは藁や草を無理して食べることはできてもそれだけでは生きていくことが出来ません。

草や藁のような高分子を分解利用するためには消化酵素が必要であり、ヒトにはその消化酵素が無いということです。

逆に、ヒトが食べても代謝酵素によって分解できる成分が、ネコやイヌでは代謝酵素が無いために分解することが出来ず血液中の濃度が極端に上昇して過剰症を引き起こしてしまうことがあります。

もちろん、物質には体に影響を与える限界量というものがあり、体重1㎏あたり何グラムまでは許容範囲であるという物質もあります。

このような場合には、人の体重であれば問題の無い食べ物が、イヌやネコのような体重の軽い動物では人と同じ量を食べることにより健康被害を引き起こすこともあります。

 

さて、人が食べてはいけない神経毒やヒ素などは、もちろんネコやイヌも食べてはいけません。

植木の葉や根を守るための農薬や肥料も食べてはいけないものですし、プラスチックや合成繊維などの人工物もネコやイヌが口にすることで喉に詰まって呼吸することが出来なくなったり、消化器や肛門に詰まったりすることで排便することが出来ずに健康障害を起こすリスクもあるかもしれません。

アクティブに与えることの無いような物質であっても、ネコの場合は高いところにも登ることが出来ますので机の上などの高いところに置いたからといって安心することはできません。

人間の薬はネコには毒になる

人に飼われているネコやイヌの健康被害で獣医を訪れる飼い主で最も多いのが、人間に処方された薬をペットが誤って食べてしまったことが原因となっているという話もあります。

薬というのは病気の原因を排除できるまで吸収と分解の時間を考えて血液中の濃度を一定に保つように処方されており、人間の体重と代謝能力をベースに考えられています。

すなわち、人間の病気を治す薬の中には、動物には効果が無いどころか害になる可能性のあるものがあるということです。

吸収される成分がネコやイヌにとって問題の無い成分であっても、体重が大きく異なるネコやイヌが人間と同じ量を摂取することや薬の成分に対する代謝能力が異なる動物では血液中の薬の成分が高濃度になり過ぎることによる健康被害が起こることがある可能性も考えられます。

イヌやネコは肥満を起こしやすい

他方、炭水化物を分解する能力の低いネコやイヌは、人間と同じように炭水化物を主体とする食事を摂っていると余剰のブドウ糖が大量発生することによって体脂肪が増加し肥満化することがあります。

ネコはイヌよりも一日当たりの睡眠時間が長いことが多いため、余計に肥満が起こりやすいということが言えます。

肥満になったネコに起こる健康被害というのは、人間とそれほど大きな違いはありません。

肥満が続けばメタボリックシンドロームに陥りますし、高血圧や高血糖に伴い水をたくさん飲んで排尿が増加したり、心疾患や失明したりすることもあります。

人間のように体重増加を意識することは無いでしょうから、肥り過ぎていることに気付くことなく同じように高いところから飛び降りると脚関節や腰への負担が大きくなるということもあります。

重度の肥満になると動きが緩慢にならざるを得なくなるため、ますますカロリー消費が減少して肥満の悪循環に陥ってしまいます。

猫まんまのようなコメが主体となったような食事は、それを食べているだけでネコの健康被害を起こす可能性のある危険な食事ということになります。

 

以上のように、野生では起こることが無いようなリスクが、人と一緒に暮らすことによってネコを襲う可能性が増加するということです。

リスクはそれだけではありません。

人が普通に食べているものの中には、ネコが食べてはいけない食べ物も多数存在しています。

人間がおいしく食べているからといって、ペットにとって必ずしも美味しくいただけるとは限らないということを十分認識しておく必要があります。

それらの食材の中には、少しでも口にしてはいけない危険度の高いものもあれば、少しくらいならば大丈夫というものもあります。

また、ネコのジャンプ力はかなりのもので、台所の流し台に食べ終わった後の食器を放置していると知らない間に舐めてしまうことも考えられます。

食べ終わった後の食器類は、こまめに洗うようにするというのも大切です。

 

ネコの体に悪い・毒となる食物

続いては、ネコの体に悪い食べ物、毒となる食べ物を纏めました。

また、与え方によっては体に悪影響がでるケースについても解説しています。

執筆に当たっては、[1] 子猫のへや~しつけの仕方から里親募集まで、猫に関する情報が満載 を参考にさせていただきました。

玉ねぎ、ネギやニンニクはエキス分も危険!

最も有名なネコにとって危険な食材が玉ねぎやネギといったネギ科の野菜で、アリルプロピルジスルファイドと呼ばれる成分がヘモグロビンの分解を起こし赤血球を破壊します。

玉ねぎやネギを食べることによって赤血球が減少し、酸素不足からくる溶血性貧血を引き起こすことになります。

ネギ科の野菜ほどではありませんが、ニンニクやユリ根などのユリ科植物の球根にも同じ成分が含まれていますので、同様のことが起こる可能性があります。

ハンバーグやすき焼きなど人間が食べる食事にも加えられますし、コンソメスープにも入っていることがあります。

にんにくは、スパゲッティなどのイタリア料理でよく使われる食材です。

アリルプロピルジスルファイドは熱に強い物質ですので、加熱しても完全に分解されて無くなっているということはありません

知らない内にネコが食べてしまうあるいは食べさせてしまうことが無いようにしましょう。

 

チョコレートやココアパウダーは?

人間のおやつであるチョコレートにはテオブロミンと呼ばれる物質が含まれています。

この物質はネコやイヌの体内で分解することが出来ず、血液中の濃度が上昇します。

食べた時の症状は嘔吐・下痢といった軽い症状に始まりますが、大量に食べた時には死ぬこともあるそうです。

テオブロミンはカカオ豆に含まれていますので、同じ原料を使うココアパウダーにもリスクがあります。

 

ネコに特有の毒素が含まれるナス科の野菜!

ナス科の野菜であるナス、トマト、ジャガイモの芽、ピーマンなどには、ネコにとって有毒なソラニンという物質が含まれています。

ソラニンの摂取上限値は人間では200㎎から400㎎だそうですが、ネコの場合は10㎎、個体によっては2㎎程度でも危険だそうです。

過剰に摂取すると中枢神経系にトラブルが起こり、瞳孔が開いて虚脱状態になり、酷い時には心筋梗塞に至る場合もあります。

玉ねぎやニンニクと並んで注意する超危険食材として、頭にインプットしておいた方が良さそうです。

 

コーヒーなどに含まれるカフェインで体調不良!?

カフェインには興奮や覚醒といった中枢神経に対する作用のあることが知られています。

ヒトでも眠気さましにコーヒーを飲むことがありますが、ネコやイヌは体調不良を起こすことになります。

コーヒーをそのまま飲ませることは無いと思いますが、ココアと同じでコーヒー味の菓子類は意識していなければ食べさせてしまうことがあるかもしれません。

コーヒーだけでなく緑茶やウーロン茶にも含まれていますので、水の代わりにお茶を飲ませるなんてことも無いようにしましょう。

 

アルコールは分解できません!

ネコやイヌはアルコールを飲む習慣がありませんので、肝臓におけるアルコール分解活性はゼロに等しい状態です。

ちょっとぐらいならと興味本位で飲ませると、血中のアルコール濃度が上昇しいつまで経っても下がりませんのでネコが舐める程度の少量の飲酒でもアルコール中毒を起こしやすい体質と思って間違いありません。

ビールを飲むネコの話を聞いたことがありますが、そのネコが特殊な体質でほとんどのネコにとってアルコールは有害と考えてください。

 

ブドウや干しブドウは危険?

ブドウの危険性は、イヌに対しては証明されていますが、ネコに対してははっきりしていないというのが現状です。

しかしながら、ブドウに含まれる栄養素でネコに必要なものがあるわけではありませんので、食べさせないにこしたことはありません。

ちなみに、イヌが許容量を超えて食べてしまった時に起こる症状としては、短期的には嘔吐・下痢や腰痛ですが、数日後には腎不全の症状を起こし死んでしまうこともあるということです。

体重1㎏当たりのリミットの量というのは30g程度だそうで、体重5㎏のイヌが一房のデラウェアを食べると危険ということになります。

また、干しブドウは水分が飛んでいますので、ブドウを食べるよりはさらに危険ということになります。

干しブドウ入りのクッキーやパンは、炭水化物の摂取による肥満以外のリスクが含まれているということになります。

 

イカやハマグリはビタミンB1不足を起こす可能性あり!

タウリンが豊富に含まれているイカやハマグリなどの貝類は、タウリン供給を目的としてネコの食事を用意するにあたって加えたくなる食材です。

しかし、イカや貝類の内臓にはチアミンと呼ばれるビタミンB1を分解する酵素が含まれていますので、生でイカや貝類を与えるのであれば内臓は避けるべきです。

エビなどの甲殻類も同様で、生で食べさせるのであれば頭と背ワタを除いて与える必要があります。

酵素は加熱調理によって失活しますので生で食べさせなければ大丈夫ということになりますが、加熱によってタウリンも減少してしまいます。

ネコが好んで食べると思われている魚介類にはビタミンB1が少なく、魚ばかり食べさせているネコはビタミンB1が不足しがちです。

ビタミンB1が足りていないネコの体内にビタミンB1を分解する酵素が入ってくると、急性のビタミンB1欠乏症が起こってしまいます。

ビタミンB1が長期にわたって不足すると痙攣や嘔吐が起こり、背骨が変形してしまうこともあるそうですのでもともとの猫背がさらに酷くなってしまいます。

 

魚を食べさせるならば骨は取ってください!

当たり前ですが、魚には骨があります。

人間でも魚の小骨が喉に刺さり取るのに苦労することがたまにありますが、ネコの喉は人間よりも細く人が気にならないような小さな骨でも喉や消化器の内壁に刺さってしまうことがあります。

 

アボガドは人以外には毒!

アボガドの果実や種にはペルシンという殺菌作用のある成分が含まれており、今のところヒトに対して毒性があるという報告はありませんが、ネコやイヌをはじめ牛、豚、馬、鶏などの家畜に対しては毒性のある物質です。

動物が大量に食べた時の症状としては、胃腸の対する刺激による嘔吐・下痢程度のものから呼吸困難や痙攣を起こし死に至ることもあるそうです。

 

コショウやトウガラシ

香辛料などの刺激物は胃腸炎などの消化器のトラブルの原因となります。

香辛料を大量に使用するキムチやカレーといった人の食べ物は、ネコにとっては食べてはいけないものの一つです。

人が食べた後のお皿などの容器や食器は直ぐに洗って、ネコが口にすることが無いようにしましょう。

 

塩分が多いもの

ネコに限らず陸上で暮らす人間以外の動物はほとんど汗をかきませんので、体内に溜まった余分な塩分は尿として排出するしか方法がありません。

ミネラルも含む塩分はネコにとって不要というわけではありませんが、人用に味付けされた食材の場合には体重に合わせて量を抑えたとしても塩分が多過ぎます。

水を飲む量が少ないネコは長期間にわたって体内が高塩濃度に保たれることになり、腎臓の負担が大きくなってしまいます。

 

水をやるなら軟水!

先にネコに過剰な塩分を与えると腎臓負担が大きくなるという話題が出ていますが、天然水に含まれているミネラルでも長期の摂取はネコの腎臓負担が大きくなってしまうというケースがあります。

ネコに水を与えるのであれば、日本の水道水は一部の地域を除いては硬度の低い軟水ですので水道水が良いということになります。

ヨーロッパのミネラルウォーターは硬度が高いものが多いので、わざわざリスクを与えることになってしまいます。

ネコの死亡原因の80%は腎臓系のトラブルという話もありますので、食事の塩分と合わせて飲み水にも気を付けた方が良さそうです。

 

牛乳は固形物を食べられない子猫の間だけ!

ネコに牛乳を与えているケースは良く見かけますが、固形物を食べるようになっているネコの腸内は牛乳に含まれている乳糖を分解することが出来ません。

少量ならば問題なさそうですが、乳糖が過剰になると乳糖不耐症によって下痢を発症することがあります。

 

おやつや食事に煮干しや鰹節は控えましょう!

カルシウムを与える目的もあり、煮干しや鰹節をキャットフードに混ぜたりおやつに与えたりしている人がいます。

ネコにとっての好物でもありますが、煮干しや鰹節にはカルシウムと共にリンやマグネシウムも豊富に含まれています。

これらのミネラルを過剰に摂取すると、膀胱や尿路に結石ができやすくなります。

排尿の少ないネコは尿中の各成分が濃縮されていることもあり、結石になる確率は他の動物よりも高いということが出来ます。

 

参考文献・サイト

執筆に当たっては以下のサイト様の情報を参考にさせて頂きました。

[1] 子猫のへや~しつけの仕方から里親募集まで、猫に関する情報が満載

http://www.konekono-heya.com/

「しつけ」というタイトルですが、ネコに必要な栄養や与える際の注意点が詳しく書かれています。情報源として、学術論文をしっかり引用しているため信頼性が高いです。

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