ネコの健康に必要な栄養バランスとは?

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ネコの食事

野生において肉食動物であるネコの食事は、高タンパク質かつ低炭水化物が理想的です。

イヌの食事も同じですが、ネコはさらに高タンパク質であることが要求されます。

このことは、ネコの方がイヌよりも野生にいた頃の状態に近いということを意味しています。

キャットフードに含まれる栄養について

キャットフードの成分表示を見ると分かりますが、ドッグフードと同じで粗タンパク質、粗脂肪、粗繊維、粗灰分、水分の5種類が表示されています。

ペットフードの表示については、ペットフード公正取引協議会によって定められている基準があり、認定されている基準に沿って分析されているペットフードはどれも同じように表示されています。

これらの表示基準は、アメリカ飼料検査官協会(AAFCO:アフコ)が定めたペットのエサに適した成分や原材料を参考にしてガイドラインを作っています。

これらの表示は自主規制であり、法律による拘束力があるわけではありません。

従って、表示が無いからダメというわけではありません。

ペットフードの容器や袋を見ると「本品は、ペットフード公正取引協議会の定める分析試験の結果、総合栄養食であることが証明されています。」とか「本品は、AAFCO(米国飼料検査官協会)規定の分析試験により・・・健康維持に適したバランスの良い総合栄養食であることが証明されています。」といった具合に表示されています。

ペットは生活環境も健康状態も個々に異なっていますので、これが絶対というわけではありませんが、少なくとも表示が無いよりはある方が安心して利用できます。

 

ペットフードに含まれる炭水化物

さて、成分表示の中に炭水化物が含まれていませんが、ドッグフードやキャットフードにおいて炭水化物が不要というわけではありません。

本来は肉食であったネコやイヌの総合栄養食品であるペットフードにおいてはタンパク質、脂肪、繊維、灰分、水分という5つの成分が重要であるということです。

肉食動物はタンパク質を分解して手に入れることが出来るアミノ酸を原料にしてブドウ糖を合成することが出来ます。

また、動物性の脂肪を吸収することで体脂肪として体内に脂肪を貯め、脂肪を代謝して糖を合成することも出来ます。

すなわち、糖が多数結合した炭水化物を摂取しなくても、糖質を手に入れるための体を持っているのが肉食動物ということです。

 

代謝に必要なビタミンやミネラル、排泄において重要な意味を持つ食物繊維も、草食動物を餌として食べることによって手に入れることは可能です。

ちなみに、アミノ酸から糖質を合成すると、アミノ酸の化学構造に含まれている窒素原子が余ってきます。

肉しか食べない動物は、アミノ酸から糖質を合成することによって余った窒素原子を尿素に変えて尿と共に体外に排出します。

肉食獣の排尿は尿素、すなわち、アンモニアの含有量が多くなりますので、雑食性の人間や草食動物に比べると尿の臭いがきつい場合が多くなります。

 

人と暮らすネコは炭水化物を栄養にできるようになった

ネコとイヌも本来は肉食ですので、タンパク質と脂質があれば炭水化物が無くても生きていくことは可能と考えられます。

しかしながら、人と生活するようになったペットとしてのネコやイヌは、野生のころとは少し事情が変わってきています。

人と生活することによって人間の食生活と重なる部分が多くなり、コメや小麦などの穀類を主食とする人間に合わせて炭水化物を口にする機会が増えることになります。

長期にわたって人と係る生活をしてきたペットのネコやイヌは、炭水化物を栄養素として利用することが出来るように何世代もかけて遺伝情報が進化して来ていると考えられます。

実際、人との密着度合いが高いイヌは人との共存において炭水化物を利用できるように、デンプンを分解する酵素であるアミラーゼやマルターゼという酵素を体内で合成できるようになっているということです。

ネコの場合はというと、飼い主に密着して生活するというよりも飼い主が住んでいる家を自分の縄張りの中心に位置するように人と関わっています。

ネコはペットとしてよりも人間の食糧を荒らすネズミなどの害獣を駆除する目的が強かったことから、屋外で自由に小動物を食べることにより肉食としての食性を残したまま人と共存してきた経緯があります。

すなわち、ネコの炭水化物を利用する能力はそれほど発展することは無く、野生時代に持っていた僅かな炭水化物分解活性があるだけと考えられます。

言い換えると、ペットになってからも野生に近い形で飼われているネコの方が、イヌよりも炭水化物の要求性が低く、逆に、タンパク質や脂肪の必要性が高いということです。

それぞれの成分を比べてみると、ドライタイプのドッグフードでは粗タンパク質が25%前後であるのに対して、ドライタイプのキャットフードでは粗タンパク質が40%前後のものが多く見受けられます。

高いところに登ったり降りたり敵に向かって俊敏な動きをしたりするネコにとって、筋肉を造りだすために必要なタンパク質は重要な成分であるとともに活動するためのエネルギー源としてもタンパク質が重要であることに由来するためと考えられます。

[1] 猫の栄養学講座 炭水化物によると、ネコガイド 岩田 麻美子氏は多数の論文を参考にし、以下のように回答しています。

キャットフードに含まれる炭水化物については、35%以上の炭水化物を含むフードでも猫には問題がない、というものもあれば、炭水化物を摂りすぎると泌尿器系の問題や食物アレルギーを引き起こす可能性が高い、という論文もあります。
ただ今回炭水化物を取り上げるにあたり、かなりの文献に目を通しましたが、キャットフードに含まれている炭水化物が猫にとって完全に不必要である、としているものを探すことはできませんでした。

適切な数値は一概には言えないようですが、私が調べたとおり40%程度の製品が多いことから、この数値の前後が妥当な数値と考えられます。

 

ネコは炭水化物を摂っていいのでしょうか?

一方、炭水化物の利用効率が悪いネコでは、過剰に炭水化物を摂取することによって満腹になり本当に必要なタンパク質を十分に摂ることが出来ないことになります。

ネコにとっての炭水化物の摂取は、お腹が膨らむことと排便促進効果がある人間にとっての食物繊維に近いものであるということです。

しかしながら、炭水化物の分解能力が低いネコであっても、炭水化物から糖が切り出されないわけではなく即時にエネルギーに変わる炭水化物も多少は摂取した方が良いという説もあります。

他方、同じ炭水化物でも砂糖やブドウ糖といった吸収されやすい糖質は、過剰に摂取すると余剰の糖質が脂肪として蓄積されるという点は人間と同じです。

人間の場合には糖質や炭水化物の過剰摂取が肥満の原因になりますが、眠っている時間が多いネコではほんの少しの炭水化物が肥満やメタボに大きく影響するということもあります。

ネコの舌は甘いという味を感じることがありませんので人間のように好んでスイーツを食べるということは無いと思いますが、食感や味が好みに合えば食べ過ぎてしまうこともあるかもしれません。

 

まとめ

以上のことからも分かるように、昔から良く言われる猫飯や猫まんまといったご飯に味噌汁や鰹節をトッピングした食事というのは、塩分過多も含めてネコにとって最悪の不健康な食事ということが出来るかもしれません。

 

参考文献・サイト

[1] 猫の栄養学講座 炭水化物

http://allabout.co.jp/gm/gc/69264/

ネコの炭水化物摂取の現状について解説されています。

著者の岩田 麻美子氏は、猫との付き合いは40年以上。元・猫のブリーダーとしての17年の経験をお持ちとのことですので、大変信頼性のある内容と思われます。

ネコの食事
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