【猫草】食べない?吐く?毛玉や便秘予防に効果があると言われる猫草の与え方

  •   
  •   
  • 【猫草】食べない?吐く?毛玉や便秘予防に効果があると言われる猫草の与え方

猫には“猫草(キャットグラス)”を与えないといけないと思っている飼い主さんも多いのではないでしょうか。猫は肉食動物にもかかわらずなぜ草を食べる習性があるのか?この謎については完全には解明されていません。

獣医師として日々猫を観察していると、猫が草を食べる理由には『体調管理』と『嗜好性』の2つの説が有力ではないかと考えます。それぞれの飼い猫の体調や習性・好みなどをよく観察して、適切な量の猫草を与えるようにしましょう。猫草を食べない猫もキャットフードを工夫すれば、無理に食べさせる必要はありません。

【肉食動物に必要な栄養】野生の肉食動物とペットの猫の違いについて

猫が猫草を食べる理由の一つとして『体調管理』のためという説があるのは有名です。猫は肉食動物ですが、当然身体を維持するには植物に含まれる食物繊維やビタミンなどの栄養素が必要です。

それにもかかわらず、なぜ肉食動物は草を食べないかというと、消化できないからです。つまり草を食べても、自分の胃腸で消化して必要な栄養素を吸収することができないから、敢えて食べないということです。では野生の肉食動物はどのように植物由来の食物繊維やビタミンなどの栄養素を摂取しているのでしょうか。それは獲物である草食動物の内臓の中に残っている“すでに消化された植物”や栄養素を、肉とともにいただいているのです。

一方、ペットの猫はどうでしょう。野生の猛獣のように、ついさっきまで生きていた動物を生で丸ごとたべるということは、まずないですよね。たいていの飼い猫は、キャットフードを食べて育ちます。キャットフードには、肉食動物の猫の主食となるお肉やお魚などの動物性たんぱく質に加えて、食物繊維やビタミンなどが含まれています。そのため『総合栄養食』と呼ばれていますよね。したがって、きちんと栄養バランスのとれたキャットフードを食べていれば猫草を食べる必要はないとも考えられます。

それでも、ペットの猫は『体調管理』のために猫草を食べる理由とは何でしょう?

 

猫草を食べると、吐く?下痢をする?

ここで注目すべきなのは、猫草に含まれる栄養素などではなく、むしろその逆の良くない効果の方です。

何度も言いますが、猫の胃腸は植物を消化することができません。正しくは、胃腸の中に植物を消化するための微生物が生息していないのです。植物の細胞は、動物の細胞とちがい『セルロース』とよばれるたんぱく質で覆われています。このセルロースを分解してくれる微生物というのが草食動物の胃腸には存在するが、肉食動物の胃腸には存在しないのです。

そのため、猫が猫草を食べても草は消化されません。その結果、胃内に停滞して『嘔吐』を引き起こしたり、消化液が多く分泌されることによって『下痢』を起こしたりします。これらの現象が、猫の健康管理に役立っていると考えられています。

 

嘔吐の役割
猫は毛繕いをする習性があります。その結果、毛を飲み込んで胃の中に毛玉ができることはよく知られていますよね。猫草を食べることによって引き起こされる嘔吐には、この胃にたまった毛玉を吐き出させる効果があると考えられています。
毛玉は胃の出口(幽門部)などに溜まってしまうと、胃腸の閉塞が起こり命の危険に陥る可能性もありますので、毛玉を胃に溜めないことはとても重要です。その一つの案として、猫草を食べることで嘔吐を誘発するという方法があるということです。
下痢の役割
また、猫は水分をあまり摂取しないという習性もあります。猫は水を少量飲んで、濃厚な尿を出す動物です。そのため便の水分含有量が少なくなり便秘になりやすいとも言われています。
便秘になると、腹部膨満感や腹痛を生じて食欲がなくなり、こちらも猫の健康を大きく損ねる危険があります。消化吸収ができない猫草を食べることによって、消化不良を起こし、その結果便通を改善させる効果があるというのも、猫草を食べる理由の一つと考えられます。

余談ですが、よく「猫草に含まれる食物繊維などによって便通がよくなる」といったことを書いているサイトなどもありますが、猫が肉食動物であるということを考えればその説はやや考えづらいと思います。

それよりも消化に良くないものを食べることで下痢が起こると考える方が、動物学的・医学的には納得のいく見解です。

 

猫草の種類と嗜好性

ここまでは、猫草による健康効果について説明してきました。しかし、健康効果だけでは猫が猫草を食べる理由が説明できないのも事実です。

現在流通しているキャットフードには食物繊維もたっぷりと含まれていて、『便秘知らず』な猫も多いです。また、毛玉を溜めないためのキャットフードなどもあり、毛玉を一度も吐いたことがなく健康に暮らせているという猫の話もよく耳にします。

そんな体調管理の面では全く猫草を必要としていないように思われる猫でも、猫草を食べます。そういった猫の場合は、遊びの延長や食感を楽しんでいるといった『嗜好性』によって猫草を食べていると考えられます。

というのも、市販の“猫草(キャットグラス)”は決まって細くて先がとがった草ですよね。猫草として販売されているものの多くは、イネ科の植物の『燕麦(えんばく)』です。

この先がとがった細い形の草は、猫が身体をこすりつけたり、じゃれて噛みちぎったりするのにちょうどよい形状のようで、そういった遊びの延長や、噛むのが心地よいと感じることから、結果的に好んで猫草を食べている可能性もあると考えられています。

 

猫草の正しい与え方

このように猫が猫草を食べる本当の理由は解明されていないですが、少なくとも健康管理』の面で猫草が役立っている可能性は高いことが考えられます。

では、そんな猫草はどれくらいの量を、どのようにして与えればよいのでしょうか。実は飼い主からの相談で多いのが
「猫草を全く食べなのですが、大丈夫でしょうか」
「猫草を食べすぎてよく吐くのですが、与えないほうが良いのでしょうか」
といった内容だったりします。

最後に猫草の正しい与え方について、考えてみましょう。

 

【猫草の与え方と量】おやつ感覚で与えるのがいい?

猫草は、猫特有の起こりやすい健康リスクを予防したり、食感の楽しさからストレス発散につながるなどの効果が期待でき、猫が好んで食べる場合はなるべく与えてあげたほうが良いでしょう。

ただし草ならなんでも良いというわけではなく、道端や庭に生えている草は安全性が確かではないため、なるべく市販の猫草を与えるようにしましょう。ご存知の方も多いと思いますが、猫はネギ科の植物を食べると中毒(貧血)を起こしますので、与える草には十分に注意しなければいけません。

また、与える量も少量で十分です。これまでにも書いてきた通り、猫は肉食動物のため草を消化することはできません。そのため与えすぎによる頻回の嘔吐や、消化不良などには注意をしないといけません。あくまでもおやつ程度の量を与え、とくに好んで食べない場合は与えなくて問題ないでしょう。

 

猫草が苦手な猫におすすめのペットフード

猫草を食べない場合は、猫草を食べることで期待されている『毛玉除去』と『便通改善』の効果があるキャットフードを与えるとよいでしょう。

 

便通改善効果のあるキャットフード

食物繊維が豊富な食材が多く含まれているキャットフードをご紹介します。

モグニャン
原材料は白身魚が60%以上を占めますが、その次に多いのがサツマイモです。サツマイモはみなさんご存知の通り、食物繊維が豊富で便通改善効果のある食材です。便秘がちだけど猫草も食べないという猫にはぴったりのキャットフードでしょう。

ジャガー
こちらも原材料に、サツマイモやリンゴなどの果物、野菜が多く含まれており、粗繊維3%のキャットフードです。主要な食材が、チキンや鴨肉などのお肉に加えて、サーモンやマスなどのお魚も含まれているため、モグニャンより多くの種類の素材から栄養素を摂取することができる点で優れているとも考えられます。

 

毛玉ケア効果のあるキャットフード

毛玉ケア専用のキャットフードも、各社から販売されています。

例えばロイヤルカナンの『ヘアボール ケア』などは、14日間食べ続けることで胃内の毛玉が溶解され、糞便中に含まれる毛玉成分が通常の約2倍になるとの分析結果が出されています。特に長毛の猫で、なかなか毛玉を吐くことができない猫には試してみると良さそうですね。

 

猫草の種類・効果・与え方について

猫が“猫草(キャットグラス)”を食べる理由には諸説ありますが、はっきりとしたことは解明されていません。有力な説は『健康管理』と『嗜好性』の2つです。

『健康管理』の面では、猫草によって誘発される嘔吐による「毛玉吐き」や、消化不良による「便通改善」の効果が考えられます。一方『嗜好性』の面では、猫が好む草の形状などからじゃれたり、噛んで食感を楽しむことでストレス発散の効果などがあるとも考えられています。

いずれの理由にしても、猫が猫草を好んで食べる場合はおやつ感覚で食べすぎないように注意してあたえると良いでしょう。植物の中には猫が食べると中毒を起こすものもあるため、安全のためには市販の猫草を与えたほうが良いです。

猫草を食べない猫で、便秘や毛玉が心配な場合は、食物繊維が多く含まれるキャットフード(モグニャンやジャガーがおすすめ!)や、毛玉ケア専用のキャットフードを与えることを検討してみましょう。

おすすめキャットフードランキング

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です